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代替肉とは?-国内企業も注目!市場規模はでかい

今、世界各国で流行の兆しを見せはじめているのが、代替肉だ。

代替肉は、地球環境に優しく、健康的であるとして、急速にその市場を拡大しつつある。

まだ日本ではあまり馴染みのない代替肉であるが、アメリカでは代替肉を製造ずる企業が上場を果たすなど、注目度が高い。

そこで今回は、代替肉とは何かや代替肉の市場規模、代替肉を扱う企業について紹介する。

今注目される代替肉とは?

代替肉とは

代替肉とは、牛肉や鶏肉などの動物性の肉ではなく、大豆などの植物性食材で代替したもののことだ。

見た目や味は、肉に似せて作られることが多い。

代替肉といっても、大豆や小麦など植物由来のものや、バイオテクノロジーを駆使して肉の風味を人工的に再現した培養肉、昆虫食など、その種類は様々だ。

それらの肉に代わる食材をまとめて代替肉と呼ぶのである。

なぜ代替肉が注目されているのか背景

代替肉が注目を集めている背景には、大きく分けて4つの理由があると考えられる。

動物の保護のため

1つ目は、動物倫理を重要視する風潮が強くなっていることが挙げられる。

現在、流通している食肉のほとんどは、工場式畜産によって生産されている。

工場式畜産では、人間の都合に合わせて動物が飼育され、その動物の肉を商品として加工・販売するのだ。

その畜産システムに対し、疑問を抱く人が近年増加しているのである。

畜産が環境に悪いため

2つ目は、環境面の不安が挙げられる。

牛などの家畜の飼育には、多くの水と土地を必要とする。

増加する畜産業の影響を受け、水質汚染やアマゾンでの森林伐採の問題は深刻化の一途をたどっているのだ。

特に、大量のメタンガスを排出する牛は、地球温暖化の原因の一端を担っていると考えられている。

食料危機の深刻化

3つ目は、将来的な食糧危機問題が挙げられる。

2050年には、地球の人口は98億人に達すると予測されており、それに伴う食糧不足への不安が高まっている。

そんな食糧危機の問題を解決する手段の1つとして、代替食品に注目が集まっているのである。

健康志向が高まっているため

4つ目は、健康志向が高まっていることが挙げられる。

肉過多の食生活をしていると、がん、高血圧、糖尿病などの病気のリスクが高まると言われている。

そういった病気のリスクを避けるため、健康志向の強い人たちの間では、肉の摂取量を減らそうとする動きが盛んである。

その最たる例として、菜食主義者の急増があげられる。

代替肉は、植物性のものから作られることも多く、菜食主義者でも食べられるのだ。

これら4つの理由から、代替肉は注目を集めるようになった。

代替肉の市場規模

植物由来肉と培養肉の世界市場規模予測を示したグラフ画像
植物由来肉と培養肉の世界市場規模予測(矢野経済研究所のプレスリリースより編集部が作成)

代替肉の需要は世界人口の増加に伴い急増すると考えられる。

2020年における代替肉の世界市場規模(植物由来肉・培養肉計)はメーカー出荷金額ベースで2600億円と予測された。

2030年には約7倍まで増加し1.9兆円の市場規模となることが予測されている。

実は、植物由来肉はすでにアメリカ、ヨーロッパでは一定規模の市場をもっている。

日本でも外食メニューへの導入や小売店の商品展開により、消費者の認知度は高まりとともに需要は増加すると見込まれている。

代替肉の種類

代替肉の種類はさまざまであり、大きく4種類に分類できる。

それぞれどのような工程を経て作られるか紹介していく。

また、下記の代替肉の他に、近年では代替魚も登場している。代替魚についてはこちらに記事で解説しているので参考にしてほしい。

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代替魚とは

植物性代替肉

植物性代替肉は、大豆やエンドウ豆などの植物由来のものを原料として作られた代替肉のことである。

例えば、豆腐や高野豆腐は昔から肉の代わりに使われてきた食材であるため、身近な植物性代替肉の一つであるといえる。

植物性代替肉の魅力は菜食主義者でも食べることができるところである。

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植物肉の画像

培養肉(クリーンミート)

培養肉は、動物の細胞を培養することによって作られた肉のことを指す。

動物を殺さないことから、クリーンミートとも呼ばれている。

加えて、細胞から普段食べているような肉が生み出せるようになれば、家畜の飼育に必要な莫大な資源を節約することが可能になる。

しかし、培養肉技術はまだ開発途上であり普及するには至っていない。

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微生物・発酵肉

微生物・発酵肉は、微生物菌株でタンパク質を発酵させたものから作られた代替肉だ。

植物性代替肉・培養肉に続く新しいタンパク質として注目を集めている。

微生物の発酵による代替食品の生産技術は、肉にとどまらず、海鮮食品にも利用されている。

微生物発酵由来の代替肉は、必要な土地や水、温室効果ガスの排出が従来の畜産システムの数%に抑えられており、環境に優しいといえる。

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昆虫食

昆虫食は、牛や豚などの動物性タンパク質に替わる新たなタンパク質源として注目度が高い。

昆虫は体重の2倍程度のエサのみで生産することが可能で、資源効率がかなり良く、栄養価も肉と同じぐらい高い。

昆虫の飼育期間は短くて済み、飼育スペースが狭いことも魅力である。

また、粉末状にすることで、長期保存も可能だ。

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「昆虫食 メリット」記事のアイキャッチ画像

注目の代替肉関連の企業

急速に注目度が上がり始めている代替肉。

その市場は、日本国内外を問わず、拡大を見せている。

代替肉の開発を手掛ける注目の企業を紹介する。

また、こちらの記事に代表的な企業については詳しく解説している。

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培養肉日本ベンチャー企業

代替肉の海外企業

ビヨンドミート

ビヨンドミートは、アメリカの食品メーカーで、植物性代替肉を中心に扱っている。

2019年には、上場も果たした注目の企業だ。

ビヨンドミートの代表的な商品としては、ハンバーグ用パティのビヨンドバーガーがある。

味や風味、食感だけでなく、調理まで従来の肉が再現されている。

そのクオリティーの高さから、本物の肉と同等に扱われ、菜食主義者ではない人にまで広がったのが、上場を達成した要因だと考えられている。

ビヨンドミートの製品は、アメリカ、カナダ、イギリスを中心に、全世界85ヵ国、累計11万2,000店舗での取り扱い実績があると発表されている。

スターバックスやケンタッキーなどの飲食店でも導入がはじまっているが、2021年現在、日本上陸は実現していない。

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インポッシブルフーズ

インポッシブルフーズは、スタンフォード大学名誉教授のパトリック・ブラウンが創業し、植物性代替肉の製造を行っている企業だ。

ネットやスーパーでの販売にとどまらず、バーガーキングと提携し、代替肉を利用した「インポッシブルワッパー」の販売も行っている。

アメリカ全土、7,500店舗のバーガーキングに加え、1万5,000店舗のスターバックスでも利用され、インポッシブルフーズの代替肉を利用したバーガーが販売されている店舗数は、急増している。

インポッシブルフーズの代替肉の特徴は、その肉らしさにあり、肉の再現度はビヨンドミート以上ともいわれている。

インポッシブルフーズは、大豆の根粒に含まれるヘムと呼ばれるタンパク質を使い、本物の肉のような味や色を作り出すことに成功したのである。

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代替肉の国内企業

大塚食品(ゼロミート)

大塚食品のゼロミートは、大豆をもとに作られた植物性代替肉である。

家庭用の電子レンジでの調理が可能で、簡単に食べることができる。

2019年の秋から全国での販売が始まり、ハンバーグ2品とソーセージタイプ、ハムタイプと幅広い商品展開がされている。

2020年12月には、スターゼンと共同開発した「業務用ゼロミートハンバーグ」が使用された「ロコモコ丼(大豆ミートハンバーグ)」を、青森、岩手、秋田、山形のマックスバリュ80店舗で販売を開始した。

肉のような味と大豆のようなヘルシーさ、ゼロミートのブランドイメージで競合他社との差別化が図られている。

ネクストミーツ

ネクストミーツは、「地球を終わらせない」を理念に掲げ、気候変動問題と食料危機に立ち向かうべく、2020年に事業を開始した植物性代替肉開発メーカーである。

焼肉チェーンの焼肉ライクとコラボし、全店舗で焼肉用代替肉「NEXTカルビ」「NEXTハラミ」の販売に成功し、ネクストミーツは知名度をあげた。

テレビ番組で取り上げられたこともあり、若者を中心にネクストミーツのファンは急増している。

「NEXTカルビ」「NEXTハラミ」は、世界初の焼肉用の代替肉で、100%植物性かつ添加物を使用せず肉そっくりに作られているため、食感や風味を楽しみながら健康的なライフスタイルを送っていきたいという方におすすめである。

普通の焼肉用の肉と比べると脂質が半分以下で、タンパク質は約2倍なので、栄養価が非常に高く、アスリートにも好まれている。

2021年4月にはイトーヨーカドーの約100店舗の精肉売り場での販売を開始し、ますます販売規模は拡大しつつある。

代替肉の作り方

豆腐で作る大豆ミートの作り方

豆腐で作る大豆ミートは、色々な料理に活用することができる。

好みの味付けをして、煮たり焼いたりすることが可能だ。

豆腐で作った大豆ミートは、普通の肉よりもやわらかいので、調理をする際には注意が必要である。

代替肉の材料

  • 豆腐 (絹でも木綿でも可)
  • 1丁

    代替肉の自作レシピ手順

    1. 豆腐を水切りして8等分くらいにカットする
    2. バットなどに並べ冷凍庫で凍らせる
    3. 固まったら取り出しレンジで2分ほど加熱する
    4. 粗熱が取れたら手で握ってしっかりと水分を絞れば完成

    こんにゃくで作る唐揚げの作り方

    こんにゃくで作る代替肉は、唐揚げとして食べるのがおすすめだ。

    こんにゃくは、冷凍することで水分が飛び、それを揚げるとおいしい唐揚げになる。

    こんにゃくは、食品添加物も含まれない自然食品のため、ヴィーガンの方も食べることができる。

    代替肉の材料

  • こんにゃく
  • 1枚
  • 酒(★)
  • 大さじ3杯
  • 醤油(★)
  • 大さじ1杯
  • みりん (★)
  • 大さじ1/2杯
  • すりおろしニンニク(★)
  • 少々
  • すりおろし生姜 (★)
  • 少々
  • 片栗粉
  • 適量
  • 揚げ油
  • 適量

    代替肉の自作レシピ手順

    1. こんにゃくはバットなどに入れ、上からラップをしてそのまま凍らせる
    2. 冷凍しておいたこんにゃくを自然解凍し、一口サイズにカットしてしっかりと絞って水気を抜く
    3. (★)をボウルに入れて混ぜ合わせ、1を加えて10~20分程漬け込む
    4. 片栗粉をまぶし、170℃の油で揚げる
    5. きつね色に揚がったらお皿に盛りつけて完成

    参考サイト

    >次世代の食を伝えるーFOODTECH HUBー

    次世代の食を伝えるーFOODTECH HUBー

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