フードロス(食品ロス)という言葉は、一度は耳にしたことがあるでしょう。世界では飢餓に苦しむ組がある一方で、先進国では大量の食品の廃棄がされています。
食品ロスについて理解できれば、個人や企業が課題解決へ向けて取り組むべきことが明らかになります。
今回は、食品ロスの現状と原因について述べていき、食品ロス削減に向けた政府や個人の取り組み方について、明らかにしていきます。
フードロス(食品ロス)とは
フードロス(食品ロス)とは本来食べることができるのに、廃棄されてしまう食品をいいます。
フードロスが増えることは、もったいないだけでなく地球環境にも悪影響が出ます。
SDGsのテーマでもある持続可能世界の実現へ向けて、限りある食品や食材を無駄なく消費することは世界共通の課題です。
食品ロスをなくすことは、食材の効率的な確保や配分だけでなく、食品を廃棄するときに発生する温室効果ガスの削減による環境破壊の抑制や経済面での生産性の向上へつながります。
近年、ニュースでも取り上げられることの多い食品ロス(フードロス)問題。 実は30年前からメディアで問題提起されています。 一体なにが問題となっているのでしょうか。 日本の食品ロス状況、対策などを詳しく解説していきます。 […]
フードロス(食品ロス)現状と原因
日本の食品ロスで思い浮かぶのは、コンビニや外食産業における食べ残し、消費期限による廃棄です。
一方で、世界では飢餓に苦しんでいる国もあります。現在、食品の生産量は一人当たりの消費量をまかなえる量を生産できています。
しかし、食品生産量の3分の1は食品ロスへと消えていっているのです。
世界のフードロス現状
先進国では、消費期限切れや大量生産による作りすぎで食品ロスが起こっています。
世界では、年間13億トンもの食品ロスが排出されています。
最近では、新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるっている影響から、大量の食品が廃棄されています。
また、食品廃棄によって排出する二酸化炭素の量では、日本はアメリカ、中国に次いで世界で3番目に多い結果となっているのです。
日本のフードロス現状
2018年度の農林水産省の調査によると、日本では、年間2531万トンの食品廃棄物が出ています。
そのうちの食品ロスの量は年間600トン。日本人1人当たりの食品ロスは年間で47㎏になります。。この量は、毎日お茶碗1杯分の量を捨てていることに相当します。食品ロスは大きく分けると事業系食品ロス、家庭系食品ロスに分けられます。
事業系食品ロスは年間324万トン排出しています。残りの家庭系食品ロスは284万トンと多いことから、一人一人が食品ロス削減に向けた取り組みを行っていくことが重要です。
2023年に公開された最新の論文データより、世界における食品ロスを国別にランキング化! 食品ロスを一番多く出している国はどこか?日本は世界のなかで食品ロスの量は何位なのか明らかにします。 食品ロス・フードロスとは [afTag i[…]
フードロス(食品ロス)削減を応援・支援する取り組み方
食品ロスを減らすためには、一人一人の取り組みが重要になります。一人の小さな取り組みも、みんなが取り組むことで大きな削減となります。
食べ物を作る生産者への感謝の気持ちや食べ物を粗末にしないという意識があっても実際に行動に移せない人は多くいるでしょう。
ここでは食品ロスを減らすための方法や取り組み事例を述べていきます。
食品ロスを削減するためには買い物時に買いすぎない、外食時に注文しすぎない、料理の時に作りすぎない、食事は最後まで食べきることが基本です。
日常生活での食品ロスの応援や支援
食品ロスを減らすためには、家庭での食品ロスを減らすだけでなく、食品を買うお店や外食先でも食品ロスを減らすよう意識することが大切です。
例えば、陳列棚に並んだ食品を奥から買わずに、消費期限の近い手前の諸品を購入することが挙げられます。
こほかにも、食品を大量に購入せず食べきられる分量だけ購入することは食品ロス削減に貢献することができます。
こうした取り組みは、些細な取り組みですが、広い目で見ると食料資源の有効活用や地球温暖化など環境破壊の抑制につながります。
今回は食品ロスの原因から対策、環境への影響についてみていく。 食品ロスを減らすために私たちは何ができるのだろうか。 食品ロス(フードロス)とは何か 食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品のことだ。 大[…]
食べ残しをしない
食べ残しを出す要因には作りすぎ、放置して食べ忘れ、好き嫌い、料理の失敗があります。作りすぎを減らすために、食べられる分だけ作ることを心がけましょう。
また、食べ残してしまったものは冷凍保存するなどして食品が悪くなるのを防ぐ工夫をしましょう。
放置した食材の食べ忘れを防ぐためには、冷蔵庫で保管するなど保存の仕方を工夫しましょう。
直接廃棄しない
直接廃棄を出してしまう要因には、買いすぎ、長持ちしない保存方法、レシピがわからず食材を料理しきれない、贈答品でもらった食品が好みでないといったことがあげられます。
買いすぎを減らすためには、買い物に出かける前に冷蔵庫の中にある食品を確認しておきましょう。
また、安いからという理由で安易に買うのではなく、食べきれる量か確認してから買うようにしましょう。
長持ちしない保存方法は、インターネットなどで適切な保存方法を調べてから保存することで改善することができます。
食品を適切に保管することは保存期間が延びるだけでなく、食品の品質向上にもつながります。
レシピがわからず食品を料理しきれない場合は、インターネットなどでレシピを調べてから料理するようにしましょう。
贈答品でもらった食品が好みでない場合は、フードバンクなどの寄付やお裾分けで有効活用することができます。また贈与品を送る場合も、相手が好みのものをあげるよう意識しましょう。
過剰除去しない
過剰除去を起こす要因には、調理技術の不足、過度な健康志向があります。
野菜の不可食部分を手早く除去したいがために、可食部の多くを除去しまうことや、薄く皮をむく技術がないなどの調理技術の不足が原因となっています。
毎日の調理時に意識して食材が無駄にならないよう工夫することで調理技術を上げていく必要があります。
また、過度な健康志向による農薬の心配から過剰除去が引き起こされています。残塁農薬のリスクはありますが、過度に恐れる必要はありません。
食品の寄付
食品が余っている者がいる一方で食品が足りずに困っている者がおり、食品が平等に配分されていない状況があります。食品を平等に分配する活動として、フードバンクがあります。食品を寄付する方法として、フードバンクがあります。フードバンクとは、食べ物が余っている者と、食べ物に困っている者との間に入って、仲介をする活動をいいます。
フードバンクは、1960年代にアメリカで誕生しました。日本では2002年から開始し、現在では、全国に40ほどのフードバンクが活動しています。
フードバンクは食品ロスの削減と生活困窮者の2つの効果があると期待されています。
フードロス通販サイトやアプリを活用する
フードロス通販を利用することも食品廃棄物削減に貢献することができます。フードロス通販では食品に傷や欠陥があるわけあり商品が取り扱われています。
生産者は、本来処分するはずの食品を販売することができ、消費者は格安での購入も可能となります。
また、まとめ買いをすることで半額以下での購入もすることもできます。例えば原価80円の食品を10個820円で売ったとしても20円の利益が出ます。
フードロス通販は、生産者にとっては食品廃棄物を減らすことができ、購入者は低価格での購入が可能となるため、双方にメリットがあります。
近年、ニュースなどで話題となっている食品ロス問題。 この問題の解決策の一つとして、食品ロス対策に役立つ通販サイトやアプリが続々と登場している。 今回は、おすすめの食品ロス(フードロス)通販サイトを紹介していこう。 そもそ[…]
政府の食品ロス応援・支援
食品ロスを削減するための法律として、食品ロス削減法と食品リサイクル法の2つの法律があります。今回はこの2つの法律について述べていきます。
食品ロス削減推進法
食品ロス削減推進法の正式名所は「食品ロスの削減の推進に関する法律」です。
2019年10月1日に施行されたこの法律には食品ロスの定義や食品ロス削減の推進、基本的な方針や施策が記載されています。
この法律は、食品ロスに対すて国や地方自治体の責任を明らかにし、基本事項や食品ロス削減に向けた施策を定め、総合的な推進を目的として定められた法律です。
食品リサイクル法
食品リサイクル法は2001年に施行され2007年に改正されました。
この法律は、食品の売れ残りや食べ残し、さらには製造段階で発生する食品廃棄物に関して、発生抑制と減少量化を行い、最終的に廃棄物の抑制を目的とした法律です。
また、廃棄することになった食品を肥料や飼料などの原材料として再利用していき、食品循環資源の再利用を促進する内容も含まれています。
食品リサイクル法は、食品廃棄物の抑制と再利用を目的としています。