近年流行っている大豆ミート。日本ではまだそこまで普及しておらず「なにそれ?美味しいの?」と思っている人が多いのではないでしょうか。
大豆ミートとは、大豆を使用した植物性の代替肉です。
お肉(鶏肉や豚肉、牛肉)を使用せず、ジューシーで肉感のある味わいを再現した食品なため、主にヴィーガンやベジタリアンのような菜食主義の人たちに重宝されています。
今回は「大豆ミートってなに?」と思うあなたにむけて大豆ミートとは一体何なのか、大豆ミートを食べることのメリットデメリットを紹介します。
また代替肉や植物肉については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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大豆ミートとは
大豆ミートとは、お肉(鶏肉や豚肉、牛肉)を全く使用しない植物性の食材のことです。
お肉じゃないのにまるでお肉のような食材としてヴィーガンやベジタリアンなどに重宝されており、近年では、ダイエット食材として女性にも人気で注目を集めています。
実はこの大豆ミート、最近流行っているようですが昔からある食文化の一つなのです。
もともとは宗教、仏教的な理由で、神様たちに祈りをあげる前は肉食を断つ文化があったそうです。
今では、健康志向の食材、環境に配慮した食材として注目を集めており、大手ハンバーガー店がパティを大豆ミートにしたバーガーを販売したり、スパーマーケットにも販売されるようになりました。
アメリカに代替肉の代表的な会社といえば「ビヨンドミート」と「インポッシブルフーズ」の2社が有名です。
ビヨンドミートとはイーサン・ブラウン氏によって2009年に設立された代替肉の大手企業。
創業以前のブラウン氏は再生可能エネルギー事業に携わっており、環境問題を発端にビヨンドミートを立ち上げました。
ビヨンドミートにはマイクロソフトのビル・ゲイツ、ハリウッド俳優のレオナルド・ディカプリオなど環境問題への取り組みに支持する有名人たちも投資をしています。
もう一方のインポッシブルフーズはパトリック・ブラウン氏を中心に2011年に設立された代替肉の大手企業。
ビヨンドミートと並ぶ勢いで注目を集めている企業です。
インポッシブルフーズの特徴は肉に限りなく近い代替として有名です。
そのクオリティはビヨンドミートを超えたと声も。
日本でも大塚食品の「ゼロミート」や日本ハムの「ナチュミート」が有名ですね。
大豆ミートの効果とは?メリットがたくさん!
お肉の代わりに大豆ミートを食べるだけで、沢山のメリットがあります。
実は大豆に含まれる栄養価はとても高いため、お肉では補えない栄養価を摂取することができます。
また、大豆ミートは従来のお肉よりも環境に良いとされています。
具体的に、これらの大豆ミートを使用するメリットを紹介します。
栄養が豊富!
大豆ミートにはビタミン・ミネラルや大豆特有のイソフラボンなどお肉とは異なりさまざまな栄養素を含みます。
ビタミン・ミネラルが豊富
大豆ミートにはビタミンB群とカルシウムや鉄分などのミネラルが豊富に含まれています。
ビタミンB郡は、糖質やタンパク質の代謝を助けるビタミンB群が豊富に入っておりエネルギー不足や疲労の対策になります。
これらはお肉にはあまり含まれていない栄養素なため、お肉ばかりを食べる偏った食生活な方におすすめです。
高たんぱく・低カロリー
大豆ミートとお肉のカロリーとタンパク質を比べると大豆ミートの方が高タンパクで低カロリーな食材になっています。
牛肩ロース肉で比較すると大豆ミートのカロリーは1/4で、タンパク質は1.5倍もあります。
また、植物性タンパク質なので、コレステロールフリーとなっており、アミノ酸バランスもよく、質の良いタンパク質になっています。
普段食べているお肉を大豆ミートに変えるだけで摂取できるカロリーやタンパク質量に大きな違いが現れますね。
女性に嬉しい栄養素が豊富(食物繊維・大豆イソフラボン)
大豆ミートには、大豆特有の栄養素である大豆イソフラボンが豊富です、
女性ホルモンのエストロゲンの働きを補い、若々しい肌のキープやコラーゲンを増やして、肌のハリツヤを保つほか、肌の新陳代謝を高めて肌の生まれ変わりを促進します。また、大豆には日本人に不足しがちな食物繊維も豊富です。
食物繊維は、小腸に止まらず大腸まで行き渡る成分ですのでお通じの調子も整えてくれて便秘予防、対策にも最適です。
グルテンフリー
大豆ミートには、小麦粉などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンを含みません。
グルテンは、下痢や全身の倦怠感などが表れるセリアック病や小麦アレルギーの原因となります。
また、美容エディター&ライター 河村美枝によると、グルテンフリーな食生活により、疲れにくい体質になり、肌の透明感が増したと報告しています。
大豆ミートを取り入れることで、健康的でおいしい食事を取りながらグルテンフリーな食生活をすることができます。
長期保存が可能
大豆ミートはお肉やお魚のような動物性タンパク質と違い長期保存が可能な食材です。
常温での保存が可能で、賞味期限でいうと長くて12ヶ月から24ヶ月の間保存が可能なため、長期間おいしさが保つところも大豆ミートの特徴です。また、通常のお肉とは異なり大豆ミートで作った料理は時間がたっても美味しいです。しかし、冷蔵保存可能な大豆ミートは、結露やカビが生えることや、固まってしまうこともあるため注意が必要です、
気候変動を抑えられる
大豆ミートを食べることで気候変動の緩和に貢献できます。
実は畜産業によるCO2排出の量は全体の14%。さらに、畜産のために過度な森林伐採や土地開発が行われ土壌劣化が進んでいる点が懸念されています。
また、国際土壌評価センター(ISRIC)によると、過去50~60年にわたる過放牧の影響によって、世界では20億ha近くの土地が土壌劣化していると言われています。
大豆ミートが普及することで、お肉の生産数が抑えられ、畜産業からでるCO2の排出量や森林伐採が減少し気候変動も抑えられるという効果が期待されています。
調理しやすい
大豆ミートの魅力の一つは、3ステップで簡単に調理することができる点です。
- 湯戻し
- 鍋にお湯を沸かし、沸騰したら大豆ミートを5分ほど茹でる。(乾燥状態の3倍の大きさに膨らむ)
- 水洗い
- 茹でた大豆ミートをザルにあげ、丁寧に水洗いをギュッと絞ります。
- これを3回ほど繰り返すことで豆臭さが抜けます。
- 下味を付ける
- 通常のお料理のように、下味を付けます。
- 5分ほどで味が馴染んできます。
デメリット
大豆ミートを普及させる、主食にすることでメリットも沢山ありますが、実はメリットだけではなくデメリットもあります。
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値段が高い
意外と値段する大豆ミートの相場の金額を調べてみました。
グラム単位で計算すると、精肉の相場の金額とさほど変わらずむしろ高くなる場合があります。
加工品はカロリーが高い
低カロリーで注目を集めている大豆ミートですが、加工品の大豆ミートのほとんどは高カロリーになります。
例えば、代替肉業界をけん引しているアメリカの「インポッシブルフーズ」の代表商品である「インポッシブルバーガー」があります。アメリカの大手ハンバーガーショップ「バーガーキング」で販売されているこの商品ですが、通常のバーガーキングのハンバーガー660kcalに対して、インポッシブルバーガーは630kcalと30kcalしか差がありません。
他にもスーパー等に市販されている大豆ミートでできたソーセージやハム、大豆ミートが使用されたインスタント食品は加工品になりますので低カロリーではないです。
お肉に近い味に近づけるために調味料等を沢山混ぜて作っているため、必然的にカロリーが高くなってしまいます。
このように、大豆ミートの加工品は低カロリーではなくなりカロリーは本物のお肉と変わらなくなってしまいます。
畜産業への影響
大豆ミートが普及することにより従来の畜産業は大きな打撃になります。
例えば、世の中のファミレスのハンバーグやファストフードのハンバーガーなどが大豆ミートに変わってしまったり、スーパーに市販されているリーズナブルなお肉が大豆ミートに変わってしまうと精肉の生産が著しく下がります。
こうして大豆ミートが普及しますと、自然と畜産業は減っていきます。
畜産業に関わる人たちは日本国内だけでもざっと21万人。世界中の畜産業界を考えるとそれ以上の何億人といることが考えられます。
何も考えず大豆ミートをただ普及させてしまうとこれだけの数の人たちが職を失うことになります。
大豆ミート作り方
大豆ミートは市販でも販売されていますが、卵が入っていいたり、加工されてカロリーが高いものがあります。
手作りで大豆ミートを作れればそんな悩みもなくなり、自分好みの大豆ミートを食べることができます。
ここでは大豆ミートの簡単な作り方を紹介していきます。
材料
- 茹で大豆
- 全粒粉
作り方
- 茹で大豆をすり鉢でしっかりとすり合わせる
- 全粒粉を混ぜる
- タッパー等に入れ、冷蔵庫に半日以上寝かせる
この作り方はひき肉の代替肉として使用できる方法で、ハンバーグなどに最適な大豆ミートの作り方です。
またひき肉を使った料理は沢山ありますので、使用しやすい大豆ミートでしょう。
大豆ミートを使ったレシピ
大豆ミートを使ったレシピをいくつか紹介していきます。
どれも定番で作りやすいレシピですので是非チャレンジしてみましょう。
大豆肉ハンバーグ
材料 | 量(4人分) |
大豆ミート(ミンチタイプ) | 100g |
玉ねぎ(みじん切り) | 小1個分 |
パン粉(卵不使用) | 70g |
ケチャップ | 大さじ3 |
ハーブソルト(塩でもOK) | 小さじ1 |
オールスパイス | 少々 |
コショウ | 少々 |
ナツメグ | 少々 |
オリーブオイル | 少々 |
付け合わせの野菜 | 好み |
ハンバーグのソース | 好み |