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オーツミルク アーモンドの画像

オーツミルクとアーモンドミルクの違いは?どっちがおすすめか徹底調査

近年、環境負荷や健康志向の観点から植物性ミルクが急拡大しています。

今回はそんな植物性ミルクの中でも特に有名な「オーツミルク」と「アーモンドミルク」の魅力やそれぞれの違いについて紹介します。

オーツミルクとアーモンドミルクのどっちを生活に取り入れるか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

オーツミルクとは

オーツミルクは、オーツ麦という穀物から作られる植物性ミルクのことです。

オーツ麦を水に浸して裏ごしすることで出来上がります。

植物性ミルクとしてよく知られているものには、豆乳やアーモンドミルク等があります。

オーツミルクやアーモンドミルクは、豆乳に次ぐ「第3のミルク」といわれています。

特にオーツミルクは、自然な甘味で優しく、濃厚でクリーミーなので乳製品の代替品として使いやすい食品です。栄養価も高く、美容や健康にも良いと欧米でブームとなり注目されています。

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アーモンドミルクには無いオーツミルクの魅力

上述の通り、第3のミルクにはオーツミルクの他にアーモンドミルクがあります。

ここからは、同じ第3のミルクとなるオーツミルクとアーモンドミルクについて、それぞれの違いやオーツミルクの魅力について紹介していきます。

サスティナブル性

まず初めに、サスティナブル性です。

サスティナブル性という観点でオーツミルクとアーモンドミルクを比較すると、オーツミルクのほうが環境負荷は少ないです。

なぜなら、アーモンドミルクに比べてオールミルクは、製造時に使用する水の量が比較的少ないためです。

二酸化炭素、土地、水使用量の観点からコップ一杯のミルクを作るためにどれだけの環境負荷を示したグラフ画像
出典:BBC(British Btoadcasting Corporation – イギリス放送協会)

上記の表は、二酸化炭素、土地、水使用量の観点からコップ一杯のミルクを作るためにどれだけの環境負荷がかかるかを示したものです。

表からわかる通り、Oat milk(オーツミルク)はAlmond milk(アーモンドミルク)の約8分の1程度の水の使用量になります。

世界で消費されるアーモンドの約80%はアメリカのカルフォニア州で生産されていますが、そのカルフォニアでは深刻な水問題が起きています。

特に2021年には歴史的な干ばつが起きており、大量の水を必要するアーモンドの木が伐採されています。

このように、サスティナブル性においてはアーモンドミルクよりもオーツミルクが優れていることがわかります。

クリーミーな味わいアーモンドミルクには無い甘さ

オーツミルクは、牛乳のようなコクがあり、さらっとした飲み口でとてもあっさりとした味わいです。クセもなく飲みやすいです。

特に、アーモンドミルクとの違いとしては、オーツミルクにはほんのりとした甘さがあることです。そのため、コーヒーや紅茶等にも合う万能な植物性ミルクです。

常温保存により長期保存可

オーツミルクは常温保存が可能で、約273日の賞味期限があります。

それに比べて、アーモンドミルクは冷蔵保存で約2週間と短い賞味期限となります。

保存期間が長いことで美味しい状態を維持でき、安心して利用できますね。

増粘剤(カラギーナンなど)の添加なし

オーツミルクは、アーモンドミルクと違い、増粘剤(カラギーナンなど)の添加が不要です。

理由は、オーツミルクが粘り気の原因となる食物繊維を豊富に含んでいるためです。

オーツミルクは食物繊維が豊富ですが、その中でも以下のものが粘り気を生み出しています。

  • 水溶性食物繊維(わかめや昆布、イモ類等にも含まれています)
  • デンプン

特に、デンプンは加熱すると粘り気が出るという特性があるため、オーツミルクの製造工程でアミラーゼという酵素と混ぜて加熱する際に、この粘り気が発生します。

上記のことから、オーツミルクには増粘剤(カラギーナンなど)の添加が不要となります。

増粘剤に使用されるカラギーナンは低分子カラギーナンを摂取する場合、大腸の障害を引き起こす可能性があると国立健康栄養研究所の見解があります。

特に妊婦や授乳婦の方は避けたほうが良いと言われています。

グルテンフリー

オーツ麦やアーモンドにはグルテンが含まれないため、グルテンフリーな食品です。

しかし、アーモンドミルクに用いられる増粘剤にグルテンが含まれている可能性があるため、グルテンフリーでないケースがあります。

オーツミルクは、素材の本来のとろみのため増粘剤を使用する必要がなく、グルテンフリーな植物性ミルクとなります。

注意点としては、オーツミルクの中にはグルテンを含む穀物と同じ工場で製造される場合があるため、購入時にはラベルを確認する必要があります。

栄養成分カルシウムやビタミンDなどが豊富

オーツミルクの成分について解説します。

オーツミルクとアーモンドミルクの成分表は以下の通りです。

オーツミルク※1アーモンドミルク※2単位(/100ml)
エネルギー4020kcal
タンパク質0.20.5g
脂質1.51.5g
炭水化物6.82mg
糖質5.60.5g
糖類00.2g
食物繊維1.21.5g
塩分0.090.25g
カルシウム12030mg
ビタミンB20.210mg
ビタミンB120.380μg
ビタミンD0.750μg
ビタミンE05μg
※1:オーツミルクはALPROの成分表(出典:ALPRO
※2:アーモンドミルクはグリコのアーモンド効果の成分表(出典:アーモンド効果

オーツミルクはアーモンドミルクと比べ、カルシウムやビタミンDが豊富です。

カルシウムやビタミンDは骨や歯の健康維持に、ビタミンB2は脂質の代謝に必要な栄養素です。

アーモンドミルクに含まれるカルシウムは添加しているモノが多いです。

それは、アーモンドをすりつぶして濾過をすることにより、カルシウムなどの栄養素が取り除かれてしまうためです。

よって、オーツミルクのほうが原材料のみで豊富な栄養を摂取することができます。

アーモンドミルクにメリットはある?

今まではアーモンドミルクにないオーツミルクの魅力について紹介しました。

ここでは、アーモンドミルクのメリットについて紹介します。

抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれている

アーモンドミルクは抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれています。

文部科学省によるとアーモンド100gあたりに含まれるビタミンEは30.0mgです。

ビタミンEを摂取することで、活性酸素の働きを抑えることができます。

活性酸素はがん・老化・免疫機能低下を引き起こすとされており、年齢を重ねるごとに体内で作られる酵素の量が減っていき、活性酸素が活発化します。

このようにビタミンEを適切な量を摂取することで、アンチエイジングに役立ちます。

しかし、ビタミンEの過剰摂取は骨粗しょう症などを引き起こす可能性があります。

1日の目安としては、18歳~29歳で男性が6.5mg、女性で6.0mgと飲みすぎには注意です。

生活習慣病の予防・改善

アーモンドミルクは、生活習慣病の予防や改善の効果があるとされています。

理由としては、アーモンドミルクに含まれる以下の栄養素の働きによるものです。

  • カリウム:塩分の摂りすぎを調整することで高血圧の予防や改善
  • オレイン酸:動脈硬化や脂質異常症の原因となる悪玉コレステロールを適正に保つ

このようにアーモンドミルクを摂取することで、生活習慣病の予防・改善を期待できます。

低カロリーなためダイエット向け

アーモンドミルクはカロリーが低いです。

上述の表からもわかる通り、オーツミルクに比べてカロリーが2分1になります。

ダイエット中の方は、カロリーを気にされる方が多いと思いますので、アーモンドミルクを取り入れることをオススメします。

オーツミルクとアーモンドミルクどっちが良い

ここまで、オーツミルクとアーモンドミルクそれぞれの魅力について紹介しました。

オーツミルクとアーモンドミルクは、それぞれメリット/デメリットがあるため、個人の目的に応じて選択することをおススメします。

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