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ゲノム編集デメリット・問題点・危険性

ゲノム編集の危険性・問題点・デメリットとは?

現在食品問題や医療において注目を浴びているのが、ゲノム編集技術です。これまでの技術との違いや新たな問題点について解説していきます。

ゲノム編集とは

ゲノム編集とは、生物のもつDNAの遺伝情報のうち、狙ったものだけを正確に変化させる技術です。

ゲノム編集技術との比較対象として遺伝子組み換え技術がよく取り上げられます。

遺伝子組換は、別の生物から取り出した遺伝子を導入し、細胞に新たな性質を付加する技術です。

ゲノム編集は、人工ヌクレアーゼと呼ばれる、ハサミのような役割を持った酵素を投入し、特定のDNAを切断します。

ゲノム編集技術は遺伝子組み換え技術と異なり、自然界での突然変異や従来の品種改良と差がないため、安全と認識されています。

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ゲノム編集とは

ゲノム編集の危険性・問題点・デメリットとは

ゲノム編集の用途として、食品用途と医療用途があります。それぞれにおける危険性や問題点、デメリットをまとめました。

食品用途におけるゲノム編集の危険性

ゲノム編集に限らず品種改良では、予想しない突然変異によって、危険性が増した食品を作り出してしまう可能性があります。

人工ヌクレアーゼの残る

ゲノム変種が植物の場合、一度遺伝子組換の方法で人工ヌクレアーゼを組込み、細胞内で増殖させます。

しかし、その酵素は植物内に残ってしまう事でその植物を食品に用いることはできなくなってしまいます。

オフターゲット変異

人工ヌクレアーゼが目的とする塩基配列と似た塩基配列があった場合に、間違って切断してしまうことがあります。

目的と違う場所で突然変異が起こることで、毒性やアレルギー成分が増加するなどの、危険性が増してしまう可能性があると指摘されています。

医療用途でのゲノム編集

もし、オフターゲット変異が人間の体内で起きてしまうと、がん遺伝子の活性化、またはがん抑制遺伝子の不活性化が起こる可能性があると指摘されています。

ゲノム編集によって可能になること

ここまで、ゲノム編集の危険性・問題点・デメリットについて解説しましたが、メリットももちろんあります。

ゲノム編集技術の進歩により、

世界で深刻化している食糧問題や環境問題などの解決へ近づきます。

食糧問題

世界の人口が増える上、自然災害で食料生産が減ってしまう現状の今、ゲノム編集によって、これまでよりも早く品種改良を行う事ができます。それにより、さらに良い品種を更に早く作ることができ、世界の食糧問題の解決へと近づくことができます。

環境問題

世界で問題となっている地球温暖化問題において、ゲノム編集が大きく貢献する事が期待されています。植物の光合成機能をより活発にすることによって、より多くの二酸化炭素を吸収し、多くの酸素を排出する効率のよい光合成を行うことにより、空気中に二酸化炭素を減らし、温室効果ガスを減らしてくれると期待されています。

新たな治療が可能に

これまでとは違い、遺伝子情報から病気に関係する遺伝子を特定し、医薬品の開発に取り掛かる事で、開発期間が早くなります。これからの薬は、ゲノム創薬が中心になると医療界でいわれています。

まとめ

前半では、ゲノム編集におけるデメリットを強く紹介しましたが、デメリットを減らすことができれば、これからの私たちの暮らしをよりよくしてくれることは間違いないでしょう。これからの技術進歩に期待し、ゲノム編集がより一般的なものになる日も遠くないかもしれません。

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