プロテインは従来、アスリートや筋トレをしている男性が好んで飲んでいるイメージがありました。
しかし最近は、ダイエットやボディメイク、美容を気にする女性から人気を集めているプロテインがあります。
それが植物性プロテインです。
植物性プロテインとは、植物性の食品を原料として作られたプロテインのことです。
ここでは、植物性プロテインの効果から、メリット・デメリット、摂取するタイミングやおすすめの商品などを紹介します。
植物性プロテインとは
植物性プロテインとは植物を原料として作られたプロテインのことです。
大豆(ソイ)を原料とするソイプロテインの他にも、
玄米を使ったライスプロテインやえんどう豆を使ったピープロテインなどがあります。
植物プロテインの詳細についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
動物性が一般的なプロテインですが、近年、植物性プロテインにも注目が集まっています。 ここでは、植物性プロテインについて紹介していきます。 植物性プロテイン とは 植物性というワードから連想されるように、主に大豆、小麦、エ[…]
植物性プロテインのメリット
植物性プロテインはダイエットや美容を気にする方や、筋肉量を維持しながら体重を落としたい方などにおすすめのプロテインです。
それでは、植物性プロテインのメリットを2つ説明します。
吸収が緩やかで腹持ちが良い
植物性プロテインは吸収がゆるやかで腹持ちがよく、ダイエット中には最適です。
ソイプロテインはアミノ酸結合が多いので、分解するのに時間を要します。
体質にもよりますが、5~6時間といわれています。
牛乳でお腹を壊しやすい人にもおすすめ
牛乳を飲むとお腹を下してしまう人は多いでしょう。
これは、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素を持っていないために起こる症状で「乳糖不耐症」いわれます。
ホエイやカゼインプロテインは牛乳を原料に作られているため、乳糖不耐症の人が飲むとお腹をくだしてしまいます。
しかし、植物性プロテインには乳糖が含まれていませんので、乳糖不耐症の方も安心して飲むことができます。
ソイプロテインの効果
大豆を原料とするソイプロテインは、植物性たんぱく質の中でも日本人に馴染み深く、商品の種類が多いプロテインです。
ソイプロテインは、アミノ酸スコアが高いことや大豆イソフラボンを含むなどの特徴があります。
アミノ酸スコアが高い
アミノ酸スコアは、たんぱく質を必須アミノ酸の組成から評価する指標です。100を満点とし、100に近いほど良質なたんぱく質とされます。
大豆はアミノ酸スコアが100と、優秀なたんぱく源です。
加えて、吸収率が95%と高く効率良くたんぱく質を吸収することができます。
(参考:特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム (mhlw.go.jp))
大豆イソフラボンが含まれている
大豆イソフラボンとは、大豆に多く含まれる複数の成分の総称のことです。
女性ホルモン(エストロゲン)と似た構造をもつため、摂取することで美肌効果や脂肪燃焼効果を促します。
美容を気にする方やダイエット中の方にとっては嬉しい成分ですね。
(参考:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A:農林水産省 (maff.go.jp)、「健康食品」の安全性・有効性情報 (nibiohn.go.jp))
ピープロテインの効果
ピープロテインとは、えんどう豆を原料に作られたプロテインです。
えんどう豆は低アレルゲン食品のため、牛乳や大豆のアレルギーをもつ人も摂取できます。
また、ピープロテインには筋肉の修復・生成を促す「BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)」と呼ばれる必須アミノ酸がホエイプロテインと同等量含まれています。
さらに、筋疲労回復や免疫力アップに効果的なアミノ酸「アルギニン」はホエイプロテインよりも多く含んでいます。
よって、ピープロテインは筋肉増強に向いた植物性プロテインです。
ライスプロテインの効果
ライスプロテインはお米を原料として作られたプロテインです。
ライスプロテインには食物繊維が豊富に含まれているため、便秘解消や腸内環境が整うことによる免疫力向上・美肌効果が高いことが特徴です。
また、ビタミンB1・B2も豊富に含まれていますので、疲労回復や肌の調子を整える効果もあります。
植物性プロテインのデメリット
これまで植物性プロテインのメリットを述べてきましたが、生活に取り入れるときにはデメリットも知っておく必要があります。
以下で、植物性プロテインのデメリットをあげます。
味に独特の風味がある
大豆たんぱく質を酵素で処理するため、苦味成分が生成されます。
それにより、牛乳から作られるホエイプロテインと比較すると、独特の風味がでてしまいます。
このような苦味を感じさせないように、ココアやコーヒーといったフレーバー付きで飲みやすいように工夫された商品が販売されています。
植物プロテインの摂取量の目安は?
1日にどれくらいのプロテインを摂取すればいいかは、性別や活動量によって異なります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、一般的な日本人のたんぱく質の目標量は1日のエネルギーの13~20%とされています。
推奨量は、成人男性が65g/日、成人女性は50g/日です。
ただし、これは一般的な活動量における推奨量なので、筋力トレーニングや運動をしている場合は多めに摂取することが推奨されています。
目安としては男女ともに「体重1㎏に対して2g」といわれ、体重50㎏ですと1日100gのたんぱく質が必要です。
以上のことから、運動していない場合だと1食で20g前後、筋トレなどの運動をしている場合は1食で30g程度のたんぱく質を摂ることが理想的です。
しかし、たんぱく質には1gあたり4kcalのエネルギーがあるので、消費エネルギーを上回る量を摂取すると太る原因となってしまいますので注意が必要です。
植物プロテインはいつ飲めば最も効果的か
以上に述べたようなたんぱく質をすべて食事から摂取しようとすると、脂質やカロリーを摂りすぎてしまう原因となります。
そのために活用したいのがプロテインです。
では、プロテインを摂取するべきおすすめのタイミングを4つ紹介します。
運動後30分以内に摂取しよう
運動を終えてから数時間で、筋肉を構成するたんぱく質の合成が最も活発になります。
そのため運動終了後にたんぱく質をとることが最も有効です。
運動後30分以内が理想的といわれていますが、焦って摂る必要はありません。
汗もしっかり拭いて落ち着いたタイミングで摂るようにしましょう。
糖質と一緒に摂取しよう
人間の体は、糖質が不足しているとエネルギー源としてたんぱく質を消費します。
そうすると、せっかく摂ったたんぱく質は筋肉を作るために消費されず、エネルギーとなってしまいます。
こういったことを防ぐために、糖質も取り入れてエネルギー源を確保した上でたんぱく質を摂取するようにしましょう。
間食として摂取しよう
プロテインを食事と食事の間や、トレーニング前に摂る方法も有効です。
特に植物性プロテインのメリットは、消化吸収が緩やかで腹持ちが良い点です。
そのため、間食としてプロテインを摂ることで空腹感が収まり栄養補給にもなるため、ダイエットとして一石二鳥になります。また、トレーニング1時間前にプロテインを摂取すると、筋肉の分解を防ぐことができます。
就寝前に摂取しよう
就寝中に、筋肉量を増やす役割をもつ成長ホルモンがたくさん分泌されます。
そのため、寝る前にプロテインを摂取することでタンパク質を補い、筋肉を効率的に合成することができます。
注意すべき点は、寝る直前だと消化管への負担となることです。
就寝1~2時間前に摂るようにしましょう。
植物プロテインを選ぶときのポイント
成分表から選ぶ
たんぱく質の含有量はもちろんですが、ビタミンやミネラルなど他の栄養素は含まれているのかも確認しましょう。
より自分の生活スタイルにあった商品を選べます。
また、プロテインには食物繊維やビタミンなどの他に、商品によっては人工甘味料が含まれています。
特に海外製品には、日本では未認可の添加物が使用されているものがあります。
プロテインを選ぶときは、成分表などをみてなるべく国産かつ、無添加のものを選ぶようにしましょう。
飲みやすさで選ぶ
植物性プロテインは粉っぽさや独特の風味があります。
おいしくいただけるかどうかは、飲み続けるためにも大事な評価ポイントです。
コスパの良さで選ぶ
毎日続けるためには、コスパの良いものの方がお財布にも優しいです。
以上の点をふまえておすすめ商品を3つ紹介します。
おすすめの植物性プロテイン
MAKE BALANCEソイプロテイン (FIXIT) | 大豆プロテイン100 (ALPRON) | ザバス ソイプロテイン100 (明治) | PEA PROTEIN (うすき製薬) | ライスプロテイン (NutriBiotic) | |
原料 | 大豆 | 大豆 | 大豆 | えんどう豆 | 玄米 |
たんぱく質含有率(%) | 78%(15.6g/杯) | 83%(25.0g/杯) | 71%(15g/杯) | 84%(15.8g/杯) | 80%(12g/杯) |
その他の成分 | 6種のビタミン3種のミネラル食物繊維、乳酸菌配合 | 10種のビタミン乳酸菌 | 6種のビタミン | 鉄、亜鉛 | 鉄、リン |
炭水化物 | 0.8g | 1.6g | 2.5g | 0.6g | 2g |
脂質 | 0.7g | 0.9g | 1.0g | 1.8g | 0g |
フレーバー | プレーン、ココア、抹茶 | プレーン、ココア、いちごミルク | ココア、ミルクティー | プレーン | プレーン、バニラ、ミックスベリー |
1杯あたりの値段 | 77.6円 | 87.2円 | 110.4円 | 80円 | 83.5円 |
まとめ
植物性プロテインは述べてきたように、美容やダイエットを気にしている方に嬉しいメリットがたくさんあります。
それぞれの特徴を活かして上手に生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。