世界の培養肉ベンチャー企業

みなさんは培養肉というものを知っていますか？簡単に説明すると、動物の細胞を体外で培養することによりつくる代替肉のことです。

と殺を減らし、環境にも良いとされている培養肉は多くのベンチャー企業により研究開発されています。

ここでは、今熱い培養肉ベンチャー企業を紹介します！

モサミート（mosameat）

モサミートはアメリカの培養肉企業で、2022年末の培養肉商品化を目指しています。開発当初は１つ3500万円したハンバーガーも、培養過程における材料が改良され、培地コストが88分の1まで削減されています。

また、培養肉だけでなく培養脂肪の研究も進んでおり、社内試食会で家畜脂肪と培養脂肪のブラインドテストに参加したスタッフは「どちらがどちらかわからない」とコメントするほどのモサミートの技術力は高い。

アップサイド フーズ（UPSIDE Foods）

共同創作者のウマ・バレティ氏は心臓医としての成功を捨て、食肉業界の悪影響に終止符を打つため、培養肉の企業を作り上げました。

これまでシーフードやミートボールなど様々な製品開発に取り組んできたアップサイド フーズ（UPSIDE Foods）が、2021年に鶏肉の販売に着手することを発表しました。

現在、着手している工場では培養肉の生産から包装、出荷まで業界のどの会社よりも大規模に実施し、今後30年間で2倍に増加すると予測されている食肉の需要を満たせるよう企業拡大しています。

また、アップサイド フーズ（UPSIDE Foods）はソフトバンクからも支援を受けており、培養鶏肉を年内に発売することでアメリカにおさまらず海外進出を狙っています。

ミータブル（Meatable）

ミータブル（Meatable）はオランダのiPS細胞で培養豚肉を開発する企業です。

豚インフルエンザの流行を受け1000万ドルの資金（約11億円））を調達し、食肉の新しい方向性を支えることに取り組んでいます。

同社の培養肉は、現時点で450gあたり1万ドル（約110万円）と高コストですが、数週間で肉を生産できるようになります。

また、培養豚肉だけでなく、この技術を牛、魚、羊などの培養肉にも適用できるとし、2025年までに市場投入するとしています。

スーパーミート（Supermeat）

スーパーミート（Supermeat）は培養肉を取り扱うレストランを運営しているイスラエルの培養肉ベンチャーです。

レストランでは、培養肉が作られるまでの過程を見学できるだけでなく、アンケートに答えることで無料で培養肉バーガーを試食することができます。

このアンケートの結果をもとに、味や口当たり、匂い、見た目を改善するなど、開発段階からユーザーを巻き込み開発しているのが同社の特徴だ。

1〜2年のうちにレストランでの販売、5年後に工場を建設し、本物の肉と同等価格までのコストダウンを目指しています。

ミ―テック（MeaTech）

ミ―テック（MeaTech）は3Dプリンターで厚さ10mmの脂肪構造を作り出すことに成功した培養肉ベンチャー企業です。

牛など動物の幹細胞を採取し、培養したものをフードインクとして使用しています。

フードインクで形作られた肉は、寝かせることによって細胞が成長・熟成させることで本物の肉へと近づけることができます。

また、3Dプリンターを用いることで社員数を減らし、短時間で量産できるようになるため、コストや製造時間を大幅に抑えることができます。

最高経営責任者のシャロン・フィマ（Sharon Fima）氏によると、同社の最終目標は、培養肉が従来の肉と同じ味、食感、栄養価となることだと述べています。

ハイアー・ステークス（HigherSteaks）

ハイアー・ステークス（HigherSteaks）は、幹細胞生物学者の2人によって設立された培養肉ベンチャー企業です。

従来の豚肉と比較して、より持続可能で食中毒の伝染を減らすことができるとし開発を進めています。

培養肉についての動画や会社についての動画をアップしている公式youtubeチャンネルがあり、培養肉を普及させる運動を行っています。

公式youtubeチャンネルがあり、培養肉についての動画や会社についての動画をアップすることにより、より容易に培養肉について知ることができ、培養肉を普及させる運動をしている。

ミッションバーンズ（Mission Barns）

ミッションバーンズ（Mission Barns）は、動物から採取した細胞に、ビタミンや砂糖など栄養となる植物性原料を加え、培養して脂肪を作るベンチャー企業です。

植物肉は風味、食感、肉らしさという欠点が指摘されていますが、そこに培養脂肪を加えることで植物肉をより本物に近づけることに取り組んでいます。

同社は他の食肉企業や植物性タンパク質企業と協力し、培養脂肪を用いたベーコンやバーガー、ナゲット、ソーセージ、ミートボールなどを開発中。2023年には植物肉が味、食感、価格の3点で動物性と同等レベルに達するとしています。

培養肉ベンチャーキャピタルであるLever VCは、「過去20年間試食してきた中で最も肉に近い」とコメントしていることから、クオリティの高さが伺えます。

インテグリカルチャー（Integricultur）

インテグリカルチャー社は培養肉を大規模かつ安価に培養可能な細胞培養プラットフォーム技術を開発するベンチャー企業です。

この技術を応用し、化粧品原料の開発、エビ細胞培養肉、細胞培養魚肉の開発に着手しています。

その中でも宇宙食料の開発を大きく手がけており、宇宙でのサステナブルな食生産を追求中。

2030年代に宇宙産のレタス、キュウリ、トマト、ビーフパテを使ったハンバーガーを作ることを目的としたスペースハンバーガープロジェクトが発足しています。

また、同社はビル・ゲイツ氏などからも多額の出資を受けており、大きな期待を寄せられている培養肉ベンチャー企業の一つです。

イノセント ミート（Innocent Meat）

イノセント ミート（Innocent Meat）は、培養肉のニーズに合わせて生産量を管理することができる点に着目し、培養肉生産システムを開発をしているドイツの培養肉ベンチャー企業です。

生産においてAIを導入することで、生産全体を管理し安全性と効率性を確保することや、独自の植物ベースの成長成分とろ過システムを開発することでコスト削減に繋げる事に取り組んでいます。

アレフ ファーム（Aleph Farms）

アレフ ファーム（Aleph Farms）は日本の三菱商事と連携をとり、日本での培養肉ステーキの販売を目指している培養肉ベンチャー企業です。

2021年夏に1億500万ドルの資金調達が完了しています。

培養牛肉を日本の消費者や規制などに合わせ、三菱商業の製造施設を利用することで生産と流通の拡大を図っています。

バレエティックフーズ（Balletic Foods）

バレエティックフーズ（Balletic Foods）はサンフランシスコを拠点とする会社で、培養肉を作成しているが、ホームページに情報がほぼなく、まだ不明な点が多い培養肉ベンチャー企業です。

バイオビーキュー（BioBQ）

バイオビーキュー（BioBQ）は、テキサスを拠点とする食肉会社で、ブリスケットと呼ばれる肩バラ肉とジャーキー用の培養肉を開発しているベンチャー企業です。。

肩バラ肉のサシを再現することを目標としており、2023年までの試作品開発を目指しています。

バイオテック フーズ（Biotech Foods）

バイオテックフーズ社はスペインにある培養豚肉を開発するベンチャー企業です。既にスペイン政府から520万ユーロ（約6.5億円）の出資を受けており、価格面で本物の肉と勝負できる培養肉のリリースに取り組んでいます。

また、同社の培養肉はソーセージやミートボールのひき肉用のため飽和脂肪酸は含まれません。

そのため、赤肉に多く含まれる飽和脂肪酸による大腸がんと脂質異常症の発症率をさげることができるとしています。

つまり、バイオテック フーズ（Biotech Foods）は、健康に良い脂肪と機能性成分の開発に取り組んでいる培養肉ベンチャー企業です

ボストン ミーツ（Boston Meats）

Boston Meats社は、ハーバード大学からスピンアウトした会社で、代替肉製品の製造における食感の問題を解決し、更に肉の本当の味を再現していけるよう、高度なテクノロジーを開発する目標を掲げています。今後は消費者体験を向上させ、業界の繁栄を可能にしていきます。

オリビリオン バイオ（Orbillion Bio）

Orbillion Bio社は、サンプルから製品まで、他社よりも５倍も速いスピードで処理することにより、価格を引き下げることができることを強みにしています。当社の目標は、味わい深く、柔らかくて美味しい肉を、全ての人が手に入れられるようにしていくこととしています。

プリスティーン ペットフード（Pristine Pet Food）

Pristine Pet Food社は、ペットフードを製造している会社です。創設者の化学エンジニアであるダイアナマーモスタイン氏によると、当社の使命は、ペットフードの製造方法に革命を起こし、食べ物によるペットの病気の発生を大幅に減らすこととしています。

ムザンシ ミート（Mzansi Meat）

Mzansi Meat社は、アフリカ初の培養肉に着手した企業です。社名の「ムザンシ」は、当地の言葉で、「南アフリカ」を意味します。当社の目標は、私たちが愛する伝統的な味と食感を害なくお届けすることを私たちの使命としています。

アートミート（ArtMeat）

ArtMeat社は、チョウザメと馬肉の培養肉を研究している企業です。あまりチョウザメに馴染みがないかもしれませんが、高級料理として取り扱われるため、培養することができれば、大きな偉業となります。そのために、大学の支援を受けて2023年の商品化を目指し、培養肉技術を開発しています。

セルラーアグリカルチャー（Cellular Agriculture Ltd.）

Cellular Agriculture社は、培養タンパク質に対する研究にイギリスで初めて着手した企業です。当社は、従来の動物性タンパク質と同等の価格を実現しながら、効率的で商業的な設備により、大規模な培養肉生産に到達するために、代替タンパク質業界をサポートしています。また、従来の30分の1の面積でコスト70%削減ができるとしています。

ビコーズ アニマルズ（Because Animals）

Because Animalsは環境破壊的であるペットフードの現状を、栄養価が高く持続可能なペットフードを作ることで、変えることを目標にしています。2019年には、マウスの組織を培養して、培養肉猫用おやつを作ることに成功し世界初の偉業を成し遂げました。

エアライ フーズ（Alife Foods）

Alife Foods社は消費者第一の製品指向の肉ブランドです。当社の使命は消費者のお気に入りの肉製品に食肉処理のないオプションを提供することとしています。

ラボ ファーム フーズ（Lab Farm Foods）

Lab Farm Foods社は、わずかな時間・費用で、培養牛肉と培養鶏肉の生成を育むための構成要素を手に入れることができるとしています。当社の使命は、生産過程で動物に害を与えることなく、持続可能な方法で本物の肉を生産することとしています。まずは、動物性タンパク質と植物ベースの代替品を組み合わせてハイブリット製品を作ることを目標に掲げています。

ワイルド アース（Wild Earth）

Wild Earth社は、野菜中心としたクリーンで豊富な栄養素を含むフードを作っています。従来のドックフードよりも、より多くのタンパク質を含むとしています。更に、消化に良い食物繊維や皮膚などに良い油脂なども含んだドックフードを開発しています。86%のペットの健康状態が改善されたことや、アレルギー症状が軽くなったことを評価しています。

ニューエイジ ミート（New Age Meats）

New Age Meats社は、2021年9月に資金調達が完了したばかりの新しい会社ですが、2022年からポークソーセージの生産を開始できると発表しています。最終的には牛肉や鶏肉等のカテゴリーにも進出する予定で、当社は肉そっくりの食感と手頃な価格、そして大量生産が可能だとしています。

ミッションバーンス（Mission Barns）

Mission Barns社は、動物性油脂を動物なしで作ることから始め、動物性油脂と植物性タンパク質を生かした、肉の美味しさを新しい次元で実現した最初の製品を作り上げました。肉のような口当たりと風味を持つ、本物の純粋な培養肉が短期間で作り上げられます。

フォーク＆グード（Fork & Goode）

Fork & Goode社は、クリーンで美味しい動物性タンパク質と脂肪を作り上げるとしています。従来の食肉産業が使用していた天然資源のごく一部で持続可能な科学と工学を用いて、自然と調和した手順で、健康的な食品を作ることに意欲を燃やしています。

フューチャーミートテクノロジー（Future Meat Technologies）

Future Meat Technologiess社は、世界初の培養肉生産施設をイスラエルに開設し、1日で500kgの量を生産することに成功しました。すでに鶏肉、豚肉、ラム肉は生産可能な状態であり、牛肉も生産可能になるとしています。この培養肉生産施設によって、従来の畜産の20倍にも及ぶ高速な生産サイクルによって大量な培養肉が生産されています。

クリアミート（ClearMeat）

ClearMeat社は、世界初のチキンミンチを製造することに成功しました。ClearMeatはインドの企業であり、国の人口が増加し、鶏肉の需要が高まる中で、持続可能で健康的で手頃な価格の代替肉を提供することを目標に掲げています。また、創業者のマンバティ氏は「全てを迅速に進めるために最善を尽くしている」とコメントし、業界全体が今後の展開に期待を寄せています。

Appleton Meats

Appleton Meats社は、ハンバーガーパテ用の培養肉の開発に取り組んでいる企業です。当社は更に良い培養肉を製造するために、温度と栄養素を調節する高度に制御された環境を持つ製造所で、肉の細胞を培養する計画を立てています。

VOW Food

VOW Food社は、鶏肉、豚肉、牛肉などの一般的な肉に加え、アルパカ、水牛、カンガルーなどの動物のセルライブラリを持っています。2019年に、カンガルー餃子の味覚テストが行い、更に多くの人に同社の肉を味わってもらうため、シドニーに「フードデザインスタジオ」と研究所をまもなく開設する予定です。カンガルーの培養肉を見ることはとても稀ですが、更に培養肉業界が世界的に一般的になるような取り組みにも着手しています。

Mirai Foods AG

Mirai Foods AG社は、美味しくて高品質な培養肉を適正な価格で提供することが当社の使命だとし、人と動物、そして地球にとってよりよいものを作っていきたいとしています。同社のビジョンは、培養肉の家庭用ブランドとなり、持続可能な世界の食糧システムへの移行を加速させることと発表しています。

Cell Farm Food Tech

Cell Farm Food Tech社は、牛肉の培養肉を生産している企業で、ラテンアメリカ初のクリーンミートスタートアップです。また、動物と人間の接点を最小限にすることで、気候変動の緩和と次のパンデミックの回避に貢献できる会社運営をしていくとしています。

Artemys Foods

Artemys Foods社は、人類が持続可能な食生活を送れるようにすることを使命としています。創業者のジョシュア氏は、創業前に、ブランドと消費者が有意義な関係を築くためのアプリケーションを開発したため、それを通じて同社が更に良い企業になることができます。

Ants Innovate

Ants Innovate社は、従来の培養肉を、独自の組織構築ブロックとミートカット技術により、これまで個々の細胞では実現できなかった肉の口当たり、食感、味、香りを正確に再現したステーキやバラ肉などを作り上げることができるとしています。当社のつくる培養肉は、世界の人々にとってより健康的でより良いものになるでしょうと自信を示しています。