「代替チーズ」という言葉を聞いたことがありますか?
話題の代替食品ですが、よく耳にするのは代替肉やフェイクミート、大豆ミートという言葉ですよね。
実はチーズにも代替食品があるんです。
そこで今回は代替チーズについてまとめました。
扱っているメーカーや商品の特徴をご紹介していますので、気になる代替チーズ商品が見つかること間違いなし!
代替チーズとは
代替チーズとはチーズに似せた食品のことです。
植物肉と同様に、大豆や米・酵母などを原料とした植物性油脂やでんぷんなどを原料としています。
代替チーズには、風味のために乳たんぱくやチーズなど牛乳由来の原材料を使用するものと、動物性たんぱく質を使わないプラントベース(植物由来)のものがあります。
プラントベースの場合、乳製品を食べるとお腹が痛くなる人やカゼインアレルギーの人、また乳製品を摂取しないヴィーガンの人でも食べることができます。
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なぜ代替チーズがうまれたのか
代替チーズは低コスト化を目的に開発されました。
昨今では人々の健康志向の高まりに応えた、コレステロールが低減された商品も製造、販売されるようになり、日本の代替チーズ市場は右肩上がりとなっています。
乳製品由来のチーズの製造コストは高い
そもそもチーズにはナチュラルチーズとプロセスチーズがあります。
ナチュラルチーズの製造では、一般的に生乳処理からスタートし複数の工程を経て、さらに熟成させる場合もあります。。
複数の設備で手間ひまかけて作られる分、生産や保存、流通などコストがかかります。
また、プロセスチーズにおいても、ナチュラルチーズを原料とするため、同様に製造コストがかかりやすいです。
代替チーズでは製造設備コストの低下が可能
一方、代替チーズは原料を混ぜて加熱撹拌する工程がメインのため製造設備のコストが抑えられます。
さらに数日単位で短期間出荷ができるので大量製造によるコスト低減も可能です。
また、乳脂肪や乳たんぱくの代わりに植物油脂や植物性たんぱく、加工でんぷんを使用することで原料コストも抑えることができます。
代替チーズはアメリカ発祥
代替チーズが最初に導入されたのはアメリカで、その後イギリスやフランスなどヨーロッパでも製造、販売されるようになりました。
コスト削減を求められやすいピザ用シュレッドやハンバーガー用スライスとして、主に使用されていたようです。
日本の代替チーズの状況
代替チーズの商品には2つの製造ルートがあります。
1つは原材料の仕入など一から国内で製造するタイプ、もう1つは海外で製造された代替チーズをブロックで輸入し、国内で加工、包装して販売するタイプです。
日本の代替チーズの特徴としては、家庭用製品では健康志向への期待に応えたもので、カマンベールやモッツアレラなどある1つのチーズの特徴を模したものや、大豆由来の豆乳を使用したものなどがあります。
形状はシュレッドやスライスタイプが主流です。
日本で代替チーズを販売する場合、「乳製品」と表示することはできず、「乳などを主要原料とする食品」と表示することが義務づけられています。
代替チーズを扱うメーカーと商品の紹介
ここからは代替チーズを扱うメーカーと商品をご紹介します。
それぞれの特徴についてもまとめました。
マリンフード
マリンフードは、植物油とカゼインを原料とした代替チーズ「スティリーノ」を独自開発しています。
スティリーノの特徴は、まず伸び具合や焦げ具合が抜群で、チーズに劣らない柔らかな食感を実現し、冷めても柔らかいことです。
また、植物油脂を使っているので一般的なナチュラルチーズよりもリーズナブルで、さらに低コレステロールでもあります。
ゴーダチーズ100gあたりのコレステロール量は83mgなのに対し、スティリーノは4mgと約95%もカット。動物性原料に加え、28品目のアレルゲン原料も使用していないので、アレルギーを持つ人も安心して食べることができます。
スティリーノを使った代表的な商品は、「かけるちーずブレンド」や「コレステロール90%オフ ヘルシースライス」、「私のヴィーガン97%植物シュレッド」などがあります。
かけるちーずブレンド
「かけるちーずブレンド」は、ナチュラルチーズを約23%と、乳脂肪を植物油脂に置き換えた代替チーズを約77%ブレンドした、シュレッドタイプの商品です。
コレステロールはゴーダチーズと比べると約60%カット。
加熱料理の他にも、そのまま生でも食べられます。
コレステロール90%オフ ヘルシースライス
「コレステロール90%オフ ヘルシースライス」は、乳脂肪の代わりにマリンフード独自の植物油脂を100%使用したスライスタイプの代替チーズです。
コレステロールは、植物油脂を使っているためプロセスチーズと比べて90%以上カット。
通常のとろけるタイプのスライスチーズと同じように使えるので、ピザトーストやハンバーグなど加熱料理にぴったりの商品です。
私のヴィーガン97%植物シュレッド
「私のヴィーガン97%植物シュレッド」は植物由来の原料がベースの代替チーズです。
28品目のアレルゲン原料不使用かつ、ゴーダチーズと比べてコレステロール99%カット。ピザトーストやグラタンなど加熱料理にぴったりの商品です。
不二精油
不二製油は、大豆を豆乳クリームと低脂肪豆乳に分離する世界初の特許技法USS製法を発明しました。
分離に成功した豆乳クリームは、大豆の深いコクを持ちながら、おいしいクリーミー感があります。
低脂肪豆乳は、油分をほとんど含まないヘルシーな素材でありながら、大豆の旨味が強く出汁としても使うことができます。
こうして誕生した大豆素材は「プレミアム豆乳」と呼ばれ、豆乳クリームと低脂肪豆乳をベースに新しい食品が生まれています。
その1つとしてプレミアム豆乳を使った代替チーズがあります。
####ソイデリス麹
「ソイデリス麹」は、ぐるなびと不二精油が共同開発した豆乳チーズです。
不二製油が長年培ってきた発酵技術を用いて、USS製法の低脂肪豆乳を乳酸菌と麹菌を用いて発酵させることで、チーズらしい香りとフルーティな味わいを実現しています。
大豆舞珠(まめまーじゅ)ぶろっく
「大豆舞珠(まめまーじゅ)ぶろっく」は動物由来の原料は一切使わず、USS製法の低脂肪豆乳が主な原料のブロックタイプの豆乳発酵食品です。
好きな形にカットしたり、シュレッドしたり、加熱しても、そのままでもおいしく味わえます。
チーズのような豆乳クリーム 大豆舞珠(まめまーじゅ)
「チーズのような豆乳クリーム 大豆舞珠(まめまーじゅ)」は動物由来の原料は一切使わず、USS製法の低脂肪豆乳が主な原料のクリームチーズタイプの豆乳加工食品です。
なめらかな食感なので、そのままスプレッドとして使えます。
酸味・塩味が特徴で、イタリアンや和食など幅広いジャンルで活用でき、パンや菓子にも応用できます。
J-オイルミルズ
「J-オイルミルズ」は、世界有数のPlant-Based Food企業であるアップフィールド社と提携し、代替チーズ「Violife(ビオライフ)」を販売しています。Violife(ビオライフ)は、代替チーズの他に代替バターも販売しています。
Violife(ビオライフ)の代替チーズは、乳やナッツを使わずココナッツオイルを使い、まるでチーズのような香りや味わい、食感を楽しめます。
また、アレルギー物質28品目を使っていないので、安心して食べることができます。
植物生まれのとろけるスライス モッツァレラタイプ
「植物生まれのとろけるスライス モッツァレラタイプ」はココナッツオイルを使った植物生まれのスライスで、乳原料・乳糖・ナッツ不使用です。
まろやかな味わいが特徴で、トーストやサンドイッチなど様々な料理に使えます。
チェダータイプもあります。
食物生まれのシュレッド チェダータイプ
「食物生まれのシュレッド チェダータイプ」は、コナッツオイルを使った植物生まれのシュレッドで、乳原料・乳糖・ナッツ不使用です。
豊かな風味とコクがあり、ピザやグラタンなどの加熱料理や、非加熱でも食べられるので様々な料理に使えます。
モッツァレラタイプもあります。
植物生まれのチーズ ブロック スモークタイプ
「植物生まれのチーズ ブロック スモークタイプ」はココナッツオイルを使った植物生まれのチーズで、乳原料・乳糖・ナッツ不使用です。
マイルドなスモーク風味で大人の味に仕上がりました。
加熱でも非加熱でも食べられるので、そのままおつまみとして食べても、サラダに散らしてもおいしくいただけます。
相模屋
「相模屋」は、様々な豆腐の商品を製造、販売している老舗の豆腐メーカーです。
豆腐を超えたお豆腐という意味を込めて名づけられた「BEYOND TOHU」は、今までの豆腐を次元の違うものに進化させたお豆腐です。
3年間の開発期間を経て、今までにないチーズのような食感・質感を実現し、濃厚でコクもありながら、癖のない柔らかな後味に仕上げました。
豆乳は、不二製油が開発したUSS製法のプレミアム豆乳「低脂肪豆乳」を使い、乳製品は一切使わず植物性100%になっています。
BEYOND TOHU シュレッド
「BEYOND TOHU シュレッド」は、植物性100%で豆腐とは思えない食感・質感をつくりだした、BEYOND TOHUのシュレッドタイプです。
加熱すると、とろりと溶けるのでピザやトースト、ハンバーグやグラタンにも合いますし、パスタにふりかけてもおいしく食べられます。
また、冷たいままサラダにトッピングしてもクリーミィな口どけを楽しむことができます。
BEYOND TOHU ブロックタイプ
「BEYOND TOHU ブロックタイプ」は、今までの豆腐になかった「削る」使い方を可能にした、適度な硬さに仕上げたBEYOND TOHUのブロックタイプです。
濃厚でコクがありながら、柔らかな甘みの後味で、そのまま食べてもおいしさ抜群。
加熱すると、とろりと溶けるのでピザやグラタンなどのトッピングやフライでも楽しめます。
BEYOND TOHU オリーブオイル漬け
「BEYOND TOHU オリーブオイル漬け」は、ひと口サイズのキューブ状にカットしたBEYOND TOHUを、バジルやカイエンペッパーと一緒にオリーブオイルに漬け込んだ、風味豊かでヘルシーなおつまみに仕上げた商品です。
調理不要でそのまま食べられるので小腹がすいたときなどに手軽にいただけます。
神明
「株式会社神明」はお米に関連するビジネスをおこなっており、お米の販売だけでなくレストラン事業や日本米の輸出促進など、お米を食べる市場の開拓にも取り組んでいる会社です。
神明では、チーズを誰でも楽しめるようにという想いから、お米を主原料とした植物性のチーズ代替品「SDCheeze」を開発しました。
長年おもちスイーツを開発・販売してきた技術をもとに、チーズのうま味を再現しています。
お米でとろ~りとろける シュレッドタイプ
「お米でとろ~りとろける シュレッドタイプ」は、お米が主原料で、乳製品はもちろん、28品目のアレルギー物質が不使用の植物性代替チーズです。
酒粕を混ぜることで発酵食品特有の風味と、独自の技術でチーズのようなうま味を再現しています。
Vego Japan
「Vego Japan」はスウェーデン出身の代表が日本へ来たばかりのとき、ベジタリアン・ヴィーガンの食材を探すのに困ったことをきっかけに、ヴィーガンチーズの生産・販売を始めました。
もともと趣味でヴィーガンチーズを作っており、カシューナッツを発酵させたものを中心に、風味に妥協のない「ワインと一緒に食べたい」「週末の贅沢なひととき」のお供に最適な商品が揃っています。
カマンベールチーズ(手作りヴィーガンチーズ)
「カマンベールチーズ(手作りヴィーガンチーズ)」は牛乳不使用、発酵させたヴィーガンチーズで、ナッツを使った乳製品のようなクリーミー感が特徴です。
カシューナッツ・ココナッツオイル・塩、すべてオーガニックの材料を使い、カマンベール菌で発酵させています。
ハーブ&ガーリックチーズ(手作りヴィーガンチーズ)
「ハーブ&ガーリックチーズ(手作りヴィーガンチーズ)」はカシューナッツで作った、フランスのブルサンチーズのようなクリーミーなハーブチーズです。
パセリやタイムなどのハーブが使われており、豊かな香りを楽しめます。
スプレッドとしてクラッカーなどにつけて食べるのがおすすめです。
まとめ
代替チーズによって、私たちはリーズナブルかつ健康的にチーズのような美味しさを味わうことができます。
また、ひと口に代替チーズと言っても、さまざまな原料が使われ、作り方も違い、それぞれに異なる特徴がある商品ばかりでした。
自分の好みの代替チーズ商品を見つけるのはもちろん、気分やシーン別に使い分けて楽しむのもいいですね。
これからも代替チーズを扱うメーカーは増えていきそうなので、今後の展開に期待しましょう。