2021年9月15日、ゲノム編集技術を使って品種改良したトマトが販売開始されたことから注目が集まっています。
ここでは、ゲノム編集されたトマトの効果やその購入方法について紹介します。
ゲノム編集とは新しい品種改良法だ!
まず、「ゲノム編集」とは新しい品種改良の方法です。
品種改良と聞くと、「遺伝子組み換え」と連想できる方が多いかと思いますが、ゲノム編集は全く違う方法を用いて品種改良を行います。
ゲノム編集とは、安全な品種改良法です。 私たちの生活ではさまざまな食品を手に取ることができます。これらの食品の大半は、人間よって品種改良された作物や家畜を使って作られています。 交配や人為的に誘発した突然変異を利用した方法や遺[…]
遺伝子組み換えトマトとの違い
ゲノム編集と遺伝子組み換えとの違いをトマトを例にして紹介します。
遺伝子組み換えのトマトはもともとトマトが持っている遺伝子に他の生物の遺伝子を加えることでトマトの持つ性質を変化させる技術の事です。
一方、ゲノム編集の場合はトマトの持つ遺伝子の組み合わせを変える(編集する)ことによって変化をさせる技術になります。
よって、、ゲノム編集で作られたトマトはそのトマトが本来持つ遺伝子をそのまま使用しているので遺伝子組み換えに比べると安全性の高さが評価されています。
ゲノム編集トマトはGABAを多く含む
実際にゲノム編集技術を用いて品種改良されたトマトの特徴として、GABAを多く含んだものがあります。
その量は元の品種の4~5倍に相当します。
品種 | GABA量 |
従来のシシリアンルージュ | 約28㎎/100gFW |
ゲノム編集のシシリアンルージュハイギャバ | 約113㎎/100gFW |
GABAとはガンマ-アミノ酪酸の略となっており、私たちのからだの中にもある栄養素の一つで人間以外にも多くの植物や動物に含まれています。
このGABAは気持ちを落ち着かせたり、よく眠れるようになったりする効果をもつ物質となります。
筑波大学でゲノム編集トマトは作られた!
上に紹介しましたGABAを多く含むトマトは筑波大学から生まれたベンチャー企業によって2020年に発表されました。
このトマトは「シシリアンルージュ・ハイギャバ」と名付けられ、ゲノム編集された食品として初めて国へ届け出をされました。
ゲノム編集トマトはどこで販売されてる?
ゲノム編集トマトは2021年の9月中旬からインターネットで購入できるようになりました。
価格は3キロで7,500円程となっており、表示の義務はありませんが、ゲノム編集を用いて作られた旨の書かれたシールが貼られているそうです。
また、同年10月にはシシリアンルージュ・ハイギャバの苗も一般のご家庭用に販売がされるようになりました。
購入の仕方
サナテックシード株式会社の公式サイトの中に青空トマト学園という購入が出来るサイトがあり、こちらのサイトにて購入が可能となっております。
現状ですと、インターネットでの購入のみとなっております。
おすすめの商品:トマトピューレ
青果ももちろんのことですが、シシリアンルージュ・ハイギャバのピューレがとてもおすすめの商品となっていますピューレですので一番のメリットは食べやすいことです。
含まれているGABAが多いのでピューレに加工しても安定して摂取する事が出来ます。
そのまま食べるも良し、お味噌汁に入れてみたり、パスタソースと混ぜて食べれたりと活用のバリエーションは豊富です。
(株)サナテックシードについて
このシシリアンルージュ・ハイギャバを開発した企業が、サナテックシード株式会社です。
筑波大学生命環境系/つくば機能植物イノベーション研究センターの江面浩教授を中心として研究に取り組む組織となっています
今後はトマトの普及についてはもちろんのこと、それだけに限らず、他の生物でもゲノム編集を行って日々の健康を後押しできる新品種の開発に取り組んでいます。