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料理ロボットとは

料理ロボットとは?−導入のメリットや最先端の料理ロボット企業を解説

「飲食店での人手不足が深刻。」

「店内での業務をもっと効率化したい。」

「マニュアルがあっても商品のクオリティが安定するか心配。」

飲食店関係者の方なら1度は考えたことがある問題ですよね。

そのような問題は、近年、急成長しているAI搭載の料理ロボットにより解決しつつあります。

この記事では、料理ロボットが注目される背景や市場の大きさ、さまざまな種類の料理ロボットを紹介しています。

料理ロボットの導入に悩んでいる飲食店の方々はぜひ参考にしてください。

料理ロボットとは

料理ロボットとは、人工知能(AI)を搭載した全自動で調理を行うロボットです。

料理業界は、複雑な調理作業や「料理人の勘」などの数値化が難しい業界。

その中で人工知能(AI)の発達により、全自動で調理を行う料理ロボットがモーリー・ロボティクス(Moley Robotics)から2015年に世界で初めて発表されました。

料理ロボットは、2本のアームを使いキッチン周りのあらゆるニーズに答えることができます。

多くの注目を集め、次々に企業が導入を検討している料理ロボット。

そんな料理ロボットのキッチン上での活躍を紹介します。

  • キッチン上を自由自在に動き回れる
  • 鍋や材料、食器を取り出せる
  • 混ぜる、切る、炒める
  • 蛇口をひねる
  • 材料を適量注ぐ
  • 食器への盛り付け
  • 食材が溢れていないかの確認
  • 汚れの発見を感知後、内蔵されたUV光で減菌
  • 自動で片づけ、拭き掃除のあと消毒

料理ロボットが注目される背景

料理ロボットが世界中で注目される背景として考えられることは以下の3つです。

  1. 人手不足の解消
  2. 業務の効率化
  3. 商品のクオリティの安定

この3つを順に解説していきます。

人手不足が解消できる

少子高齢化によりどんどんと人手が足りなくなる現代、飲食業界における慢性的な人手不足は緊急の課題です。

しかし、低賃金のアルバイトや外国人労働者のみに頼ることは、持続可能性の観点からも日本国内で問題視されています。

そのような人手不足は、料理ロボットの導入により解決することができます。

実際、日本で2018年7月から料理ロボットを導入している長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」があります。

その飲食店内では、通常3人が必要なオペレーションを導入後はスタッフ1人と料理ロボットでこなしています。

必要な人員を減らすことができ、人件費などの削減につながりました。

日本全体で問題視される飲食店の人手不足問題も、料理ロボットの導入により解決できます。

業務の効率化

料理ロボットを導入することで業務の効率化が見込めることもメリットの1つです。

人間が作業をする場合、疲労が溜まって作業スピードが落ちたり、長時間の作業で集中が切れてミスをしてしまうことがあります。

また、飲食業の調理は単純作業をする時間も多く、本来すべきことができず後回しにしてしまうことも多いです。

しかし、料理ロボットは疲れ知らず。

単純作業を淡々と人間よりも正確に行うことができます。

調理は料理ロボットに任せて他の場面に人員を割くことで店舗業務の効率化を見込めます。

商品のクオリティが安定する

料理ロボットを導入することで、商品のクオリティが安定し、毎回良質な商品を顧客に提供できます。

プロの料理人でも人間である以上、料理のクオリティを常に保つことは難しく、味にばらつきがでてしまうものです。

これは、顧客に不信感を与えてしまう要因にもなります。

料理ロボットではその心配はありません。内部データに基づき商品を常に同じクオリティで仕上げることができます。

一貫して商品のクオリティが安定する料理ロボットは、チェーン店や作り手が毎回変わる店舗などで活躍すること間違いないでしょう。

料理ロボットの市場規模

料理ロボットの市場価値はどれほどのものなのでしょうか?

調査会社のKenneth Researchによると、2019年度の世界中での料理ロボットの市場価値を8617万ドル(約97億4000万円)としています。

この料理ロボット市場は人工知能(AI)の発展により今後凄まじく発展していく予測が立てられ2028年までに、その市場規模は3億2257万ドル(約365億円)まで伸ばすとされています。

10年間で市場規模は約3.7倍。料理ロボット市場の期待の高さを伺えますね。

日本で料理ロボットの導入を開始している企業は少ないです。

その理由として、料理ロボットの日本でのシェアや認知度が欧米諸国に比べてまだまだ低いことが原因として考えられます。

しかし近年、欧米諸国の飲食企業は人工知能(AI)の発展により未知数の期待値をもつ料理ロボットの導入を早くも開始しています。

ここ数年で日本国内へのシェアも徐々に開始され、身近な存在になっていくでしょう。

家庭用料理ロボットの課題

料理ロボット市場のターゲットは業務用で使われる飲食店がメインで、家庭用としてはあまり普及されていません。

その理由として考えられる2点を紹介します。

家庭料理の種類の多さへの対応

全自動で調理をしてくれることが魅力の料理ロボットですが、好きな料理をいつでも提供する技術はまだありません。

料理ロボットは内蔵される100個を超えるモーションセンサーに、レシピ通りに作る手順を覚えさせ、それをテストしてやっと実用で使用することができます。

家庭料理の多種多様な料理に料理ロボットを対応させるためには、多額なコストがかかり、ニーズも追いついていないため難しいのが現状です。

同一メニューが多く、店舗のコンセプトが決まっている飲食店にとって導入するメリットがあるといえるでしょう。

導入コストに見合っていない

料理ロボットを家庭用として導入するには多大なコストがかかります。

何百万円とする料理ロボットを家庭用で導入するにあたって、飲食店のように1日中料理ロボットを動かし続けることはなく、コストに見合いません。

また、料理するのが面倒だから料理ロボットに作ってもらうというニーズも、家にシェフを呼んだり、フードデリバリーの活用で解決することができます。

よって料理ロボットの一般家庭への普及はまだ先になると予想されます。

世界の料理ロボット

世界には数多くの料理ロボットが研究されており、その中でも有名な以下3つの料理ロボットを紹介します。

  • 英モーリーロボティクスMoley Robotics社の世界初の料理ロボットRobotic Kitchen
  • 食品ロボットスタートアップのKarakuri(カラクリ)
  • 北京故亭科技

英Moley Robotics(モーリーロボティクス)社

イギリスの英Moley Robotics(モーリーロボティクス)社が作り上げた世界初の料理ロボット「Moley」は、さまざまな調理器具を2本のアームを自由自在に使い調理を行う料理ロボットです。

Moleyは、「混ぜる」「切る」といった基本的な動作はもちろん、調理後の後片付けまでも全てこなすことができます。

導入にあたってかかる費用は約180万円。

食材はインターネットで購入し、Moleyにレシピをダウンロードさせることで家庭でさまざまな料理を楽しむことができます。

2015年に製品の発売が発表され、2017年までに一般家庭への販売を開始する見込みでしたが、家庭用の料理ロボットとしての導入はいまだに目処が立っていない現状です。

家庭用料理ロボットとして活躍する姿が早く見たいですね!

Moley Robotics

A game-changing step into the future of cooking at home, Mol…

Karakuri(カラクリ)

スタイリッシュなデザインで、まるでSF映画のような料理ロボットがKarakuri社の「DK-One」

イギリス政府が支援するFuture Fundから約8億8千万円の資金提供を受け、近未来の料理ロボットとして期待が寄せられています。

DK-Oneの強みは、アプリと連動し、ユーザーの選んだ好みに合わせて料理を提供できること。

これによりユーザーはリアルタイムで食品の栄養やカロリーを確認できます。

また、人工知能(AI)が搭載されたDK-Oneは、食品廃棄率を内部データで理解しており必要分のみの食材を取り扱うことで食品廃棄を減らすことができます。

利益率の少ない飲食店では、DK-Oneの導入により、店舗の利益率の回復も見込むことができます。

北京故亭科技

北京故亭科技の料理ロボットは、実際のレストランで活用されており、世界的な注目を集めています。

2018年11月にオープンした中国天津市のロボットレストラン「京東X未来レストラン」では、店内の業務の大半をロボットに任せて運営しています。

店舗のオープンから51日目で、来客数は3万5千人を突破し、現在でも賑わいは絶えません。

有名シェフが監修した本格料理を、料理ロボットは毎日600食以上を調理し、注文開始から15〜30分で注文した料理は全て届くというスピーディーさ。

また料理ロボットの調理だけでなく、配膳ロボットや会計ロボットなど、全てのオペレーションでロボットによる自動化で店舗を運営しています。

調理ロボットの導入により、「オペレーションの最適化」「人件費の削減」が可能になり、まさに近未来のような体験が中国では行われています。

日本も全自動で運営する飲食店が今後増えていくことでしょう。

日本の料理ロボットメーカー

次に日本で開発されている料理ロボットを4つ詳しく見ていきましょう。

オクトシェフ(コネクテッドロボティクス株式会社)

オクトシェフは長崎県にあるテーマパーク「ハウステンボス」の店舗で、「たこ焼きロボット」が導入され、運用されています。

2本のアームと人工知能(AI)を併せ持つたこ焼きロボットは、通常3〜4人かかるオペレーションをロボット1台で補うことができます。

また画像認識機能を利用し、たこ焼きの焼きムラを最大限に減らすことで、毎回美味しいたこ焼きを提供してくれます。

熱い鉄板の前での作業も、たこ焼きロボットは平然と高いクオリティで仕事をしてくれるので、従業員の大きな助けになるしょう。

コネクテッドロボティクス株式会社

食産業をロボティクスで革新する。コネクテッドロボティクスはAIやロボット技術を活用して食産業の課題解決に貢献します。…

株式会社モリロボ

株式会社モリロボが開発した「クレープロボットQ」は、サーティーワンアイスクリーム「イクスピアリ店」にて2020年7月から試験導入されました。

クレープロボットQは、機械に生地を流し込み、ボタンひとつでしっかり焼き上げることができます。

クレープ生地は焼くことが難しく、従業員に教えるにも時間がかかることで、商品の取り扱いを諦める店舗も多いことで有名です。

クレープロボットQを導入することで、どの店舗でも気軽にクレープ商品を取り入れることが可能になります。

株式会社モリロボ

クレープロボットQは、クレープ生地を自動で焼き上げるロボットです。…

東洋理機工業のお好み焼きロボット

東洋理機工業のお好み焼きロボットは、具材を用意する作業は人手を必要としますが、それ以外の作業は人型のロボットがこなしてくれます。

胴体に2本の腕がついた料理ロボットは、人間さながらの動きで生地を伸ばし、2本の「こて」で生地をひっくり返す。

さらにこの料理ロボットには簡単な会話機能がついており、味などを顧客に聞き、音声に従い商品を提供することができます。

生地作りの時間は人間の手が必要ですが、店頭に立つのはロボットのみで、飲食店での人員削減が可能になります。

安川電機

安川電機のソフトクリームロボット「やすかわくん」

愛らしい見た目のソフトクリームロボットは、左手にコーンを持ち、右手でソフトクリーム機のレバーを引く料理ロボットです。

レバーを引くと、コーンを持っている左手は器用に左右に動き、見る見るうちに渦巻き状のソフトクリームが完成する。

夏場などソフトクリームの需要が高まるシーズンに活躍する料理ロボットとして多くの企業が導入を検討しています。

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