近年、携帯電話などのモバイルデバイスの普及により飲食業界に浸透してきたモバイルオーダー。
2015年頃からサービスが開始され、浸透してきてはいるものの、まだ実態について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
そこでモバイルオーダーの実態や背景、メリットについて紹介します。
また、顧客目線だけでなく、店舗側目線でのモバイルオーダーについても解説します。
モバイルオーダーとは
モバイルオーダーとは、スマートフォンやタブレット端末から、店舗の商品の注文から決済までオンライン上で行えるモバイルサービスのことです。
日本国内では、マクドナルド、吉野家、スターバックスなどの飲食チェーンで導入されています。
モバイルオーダーのサービス使用にあたって、専用のスマートフォンアプリや、店舗のウェブサイトの会員登録が必要となる場合があります。
モバイルオーダーの注目背景
モバイルオーダーが注目される背景のひとつに、新型コロナウイルスの感染拡大があります。
モバイルオーダーで顧客がオンライン上で注文、決済、商品を受け取る過程で、店舗の中で他の顧客との接触を減らすことができます。
コロナ禍で高まったテイクアウト需要と、モバイルオーダー需要がマッチし、モバイルオーダーの店舗側への普及は広まったと考えられます。
また、「待ち時間無く買い物ができる」「自分の時間でゆっくり商品を決めることができる」などでモバイルオーダーの利便性が広がり、利用者が増えたことも要因のひとつです。
モバイルオーダーは何か
モバイルオーダーの流れは以下の手順です。
- 顧客は事前にオンライン上で注文
- 会計までオンライン上で済ませる
- 自分の都合の良い時間に店舗に受け取りに行く
といった流れになります。
電話で注文を入れて、出来上がり頃に店舗に出向き、料金を払い、商品を受けとる。
こういった飲食店でのサービスは日本でも昔から馴染みのあるサービスで目新しいものではありません。
モバイルオーダーの場合、従来の形式とは異なり専用のスマートフォンアプリやウェブサイトの中で完結できます。
電話を入れる必要もその場で支払う必要もなく従来のサービスより利便性が高まりました。
モバイルオーダーのメリット
モバイルオーダーのメリットを店舗側と利用者側に分けていくつか解説していきます。
店舗側のメリット
店舗側のメリットとして考えられるのは大きく3点あります。
- 調理中やレジ対応中でもオンラインで注文を受けることができる
- 会計が必要ないのでレジ業務の負担が減る
- たくさんの注文を1度に受けることができる
オンラインで注文を取れる
モバイルオーダーの1番大きいメリットは、作業中でもタブレット端末からオンラインで注文受けることができるところです。
従来のサービスの場合、店舗側の従業員が電話で対応をするため、店舗の忙しい時間帯に人手が足りなくなる場合があります。
また、調理中に汚れた手を毎回洗って電話対応を繰り返すことは店舗側にとって非常にストレスとなっています。
モバイルオーダーを導入することで、店舗への電話が減り、顧客の注文が全てタブレット端末に表示されるため、作業に集中できる時間が増やすことができます。
レジ業務の負担が減る
モバイルオーダーでの注文では、事前に決済が済まされているため、レジ業務の負担が減ります。
店舗側は、商品を用意して顧客が来店した時に、商品の確認と顧客の注文画面を照らし合わせ受け取り口で商品を手渡します。
モバイルオーダーを導入することでピークタイムでも最低限の人員で店を回すことができます。
一度に大量の注文を取ることができる
モバイルオーダーの導入により、一度にたくさんの注文を受けることができるため、回転率や規模が大きい店舗にメリットがあります。
従来の電話対応では、1台の電話機に1人が対応するため、人員の多くを電話対応に要する必要があります。
モバイルオーダーでは店舗側のタブレット端末に多数のモバイル端末から注文を1度に受けることができるため、人件費の削減により店舗の粗利益は従来よりも増加するでしょう。
利用者側のメリット
利用者側のメリットとして考えられるのは大きく2点あります。
- 待ち時間の削減
- オンライン上での決済が可能
待ち時間の削減
待ち時間の削減は利用者にとっての最大のメリットです。
せっかくの休み時間や、仕事終わりに自分の時間を大切にしたい中で食事に時間はあまりかけたくないですよね。
しかし、お昼時や仕事終わりなどの駅前やオフィス街の飲食店は店の外まで並ぶことも多々あります。
季節によって待ち列が外で暑かったり、寒かったり。
モバイルオーダーを使えば利用者の食事の時間もストレスなく過ごすことができます。
来店時間などを指定できるモバイルオーダーは、利用者の都合の良い時間帯を指定して利用することができるため時間を有効的に使うことができます。
オンライン上での決済が可能
オンライン上での決済が可能なのも、キャッシュレス化が進む現代で利用者にとってメリットです。
近年、外国では現金を持ち歩かないキャッシュレス化が進んでいます。
それに伴い、日本もクレジットカードや銀行口座からそのまま引き落とされるデビッドカードやPayPayなどのバーコード決済が促進されています。
モバイルオーダーでは事前に決済が完了されるため、利用者側も店舗側とのやりとりを最小限にすることができ、手間を省くことができます。
時間の短縮や、コロナ禍で接触を望まない顧客もオンライン上での決済ができることは大きなメリットです。
モバイルオーダーの事例
モバイルオーダーのサービスが実際に行われている店舗の事例をいくつか取り上げてみましょう。
マクドナルドでのモバイルオーダー活用
大手ハンバーガーチェーン店マクドナルドでは、2019年からモバイルオーダーを開始しています。
モバイルオーダーの開始から2019年から2021年第一四半期までで、利益はプラスとなり、要因のひとつにモバイルオーダーの普及があると流通ニュースは言及しています。
マクドナルドでは現在、全国の一部店舗を除き、モバイルオーダーを利用できます。
モバイルオーダーの活用は専用のスマートフォンアプリが必要となります。
マクドナルドのモバイルオーダーは、レジに並ばずにイートイン・テイクアウトできることが特徴です。
モバイルオーダーの活用方法は、以下の手順です。
- 利用店舗の決定
- 注文の決定
- 受け取り方法の決定(店内飲食かテイクアウトか)
- 支払い方法の確定
手順も少なく、アプリ内でガイドもあるので、簡単に利用することができます。
また2020年9月からマクドナルド公式ウェブサイトからもモバイルオーダーが可能になりました。
こちらはアプリのダウンロードや会員登録は不要となっています。
スターバックスでのモバイルオーダー活用
スターバックスでも公式アプリのダウンロードが必要となります。
スターバックスでのモバイルオーダーの活用方法は、以下の手順です。
- 公式アプリのオーダーするボタンのタップ
- 利用店舗の決定
- 受け取り方法の決定
- 注文の決定
- ニックネームの決定
- 支払い方法の確定
スターバックスのモバイルオーダーでは、受け取り番号の代わりにニックネームを登録しておくと、ニックネームで商品を受け取ることができます。
モバイルオーダーの注文でもトッピングのカスタムなども細かく決めることができるので、スタバ通の方でも満足いくサービスです。
ワンモアコーヒーでのモバイルオーダーの活用
スターバックスでは、モバイルオーダーでの注文のお客様に「ワンモアコーヒー」という独自のサービスも展開しています。
「ワンモアコーヒー」サービスはモバイルオーダーでドリップコーヒーまたはカフェミストをご注文のお客様に限り獲得できるお得なクーポンです。
クーポン内容は、モバイルオーダーで注文、または店舗レジでクーポンを提示することでドリップコーヒーを108円/110円(持ち帰り価格/店内価格)またはカフェミスト162円/165円(持ち帰り価格/店内価格)でお楽しみできるというもの。
スターバックスのコーヒーやカフェミストが好きな方は、モバイルオーダーの利用によって待ち時間の短縮をしながら、お得に楽しむことができます。
モバイルオーダーのおすすめシステム
新型コロナウイルスの影響でモバイルオーダーを導入する店舗も増えている中、筆者がおすすめのモバイルオーダーシステムを3つ紹介します。
オーダートゥーゴー(O:der ToGo)
タブレット端末1つで簡単に管理や各種SNSなどから流入を行えるオーダートゥーゴー(O:der ToGo)世代を問わず、簡単な作りを意識した画面設計は、機械操作が苦手な利用者の方でも分かりやすい設計になっています。
導入の際には分かりやすい使い方マニュアルを。
また24時間365日のフルサポートで、店舗への配慮もきちんとしているのも特徴です。
Googleマップや各種SNSからの導線、自社アプリの連携などあらゆる場面で柔軟な対応ができます。
L.B.B.Cloud
L.B.B. Cloudは店舗型の飲食店のみならず、移動型の飲食店や、イベント会場などの幅広いシーンに対応できるモバイルオーダープラットフォームです。
注文、決済、受け取り、その後のマーケティングまで一貫したサービスを提供しています。
初期費用・月額費用0円から導入できることはL.B.B.Cloudのモバイルオーダーサービスを導入するメリットです。
Okage Go
Okage Goのモバイルオーダーサービスは、各種SNS誘導やアプリ連携により顧客IDを取得し、各個人に最適なデジタルマーケティングを自動で行います。
Okege Goは店内型と店外型のサービスを同時展開しており、管理画面から誰でも簡単にメニューを更新することができます。
店内型と店外型を同時に導入することが可能で、まだモバイルオーダーサービスを使ったことのない店舗であれば、同じ会社で手厚くサポートを受けられるのでおすすめです。
専用アプリの必要もなく、QRコードにて注文が簡単にできて、利用者としても利便性が高く、使いやすい印象があります。
まとめ
当サイトで紹介したモバイルオーダーサービスの他にも、全国の飲食店では多種多様なサービスが使われています。
コロナ禍の中で一気に浸透したモバイルオーダーサービス。
今からでも遅くはないので、是非取り入れてみてはいかがでしょうか?